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高齢化で増加中!?

相続人が“認知症”だったときに起こる4つのこと

最近、相続の現場でちょっと気になる変化が…。

それは、**「相続人の高齢化」**です。

もちろん、「平均寿命が延びたから」というのもありますが、
実はもうひとつ理由があります。


相続人の高齢化、その背景は?

以下のようなケースが増えているのです。

  • 被相続人が独身だった

  • 子どもがいないため、兄弟姉妹が相続人になった

つまり、被相続人が高齢で、その相続人もまた高齢、というパターン。
そして、そこに出てくるのが——認知症という壁です。


認知症の相続人がいると、こんな問題が…

相続人が認知症だと、次のような問題が起こる可能性があります。

✅ 1. 遺産分割協議ができない

✅ 2. 2次相続対策が難しい

✅ 3. 不動産の売却がしにくくなる

✅ 4. 相続放棄にも手間がかかる

その前に、少しだけ法律の話をしますね。


「意思能力」がないと、手続きは無効になる!?

法律上、契約や遺産分割協議などの「法律行為」をするには、
本人に「意思能力」があることが必要です。

つまり、自分の行為によってどんな権利や義務が発生するかを理解して判断できる能力です。

認知症でも初期段階なら意思能力が残っているケースもありますが、
家族が勝手に「大丈夫!」と言っても無効になるリスクがあります。

まずは、医師の診断を受けて、「意思能力の有無」を確認しましょう。


「意思能力がない」と診断されたら…

この場合は、成年後見制度の出番です。

成年後見制度には、2種類あります。

● 任意後見人

自分が元気なうちに、「もし認知症になったら、この人にお願いしたい」と決めておける制度です。

● 法定後見人

すでに意思能力がないときに、家庭裁判所に申立てて選んでもらう制度です。

※相続人同士で利害がぶつかるときは、特別代理人の選任も必要になります。


【問題1】遺産分割協議ができない!

遺言書がない場合、相続人全員で協議して分け方を決める必要があります。
ところが、認知症の相続人がいると、すぐには話し合いができません。

医師の診断書、家庭裁判所の手続きなど、法定後見人や特別代理人の選任には時間がかかるんです。


【問題2】2次相続の対策がしにくい!

配偶者が認知症で法定後見人がついた場合、
「不利になるような協議」はできません。

つまり…

  • 相続分を減らして2次相続に備える

  • 小規模宅地の特例を最大限活用する

…といった柔軟な対策が難しくなります


【問題3】不動産が売れない・動かせない!

不動産が共有状態になると、売却には相続人全員の同意が必要。
でも認知症の相続人がいると、それだけでは足りません。

さらに…

  • 本人が住んでいる家なら、裁判所の許可が必要

  • 賃貸物件でも、建替え・売却にはハードルあり

不動産の活用が一気に難しくなるんです。


【問題4】相続放棄にも時間とリスクが…

認知症の相続人に後見人がすでについていれば、
原則、後見人が家庭裁判所の許可なく相続放棄の申立てが可能です。

しかし――

  • 放棄が「本人に不利益」と判断されたら、後見人は解任のリスクあり

  • 後から後見人を選任する場合は、放棄までに時間がかかる

実際の放棄には、専門家の助言や慎重な判断が必要です。


成年後見制度にも「意外な盲点」が…

遺産分割が終わっても、成年後見制度はすぐには終了できません。
そのため…

  • 後見人に毎月報酬を払う必要がある

  • 手続きや書類の提出が長く続く

「想像以上に負担が重い…」と感じるご家族も少なくありません。


まとめ:認知症になる前に「対策」を!

認知症になると、本人だけでなく家族も多くの制約を受けます。

だからこそ、元気なうちの準備がカギ

  • 遺言書の作成

  • 任意後見契約

  • 生前贈与や不動産整理

  • 2次相続の設計

「まだ早い」と思わずに、今できることから始めることが、
将来の安心につながります。